増村保造監督、大映、91分、白黒映画、若尾文子主演。若尾は夫殺しの容疑で裁判にかけられる。登山中、自分を含め落ちた者の中で、下にぶら下がっていた夫へのザイルをナイフで切り、転落死させたという疑いである。過去、夫(小沢栄太郎)と若尾は不仲だった。若尾が離婚したいと言っても小沢は聞いてくれない。
学者である小沢のところに出入りする製薬会社の川口浩は若尾と好き合うようになる。夫には巨額の生命保険がかかっており、夫を殺害したのではないかと告訴されているのである。川口には婚約者がいたが、若尾への同情、ひいては愛情から、婚約者と疎遠になる。
無罪判決が下る。若尾は釈放され、保険金も降りる。若尾からの連絡で川口が若尾の新宅に行くと豪華なアパートであった。調度品も新品を揃えている。驚く川口に若尾は保険金で買ったと言い、お祝いをしようと迫る。川口は拒絶する。若尾は小沢を殺すつもりでザイルを切ったと告白する。驚愕する川口は若尾を残してそこを去る。後日、川口の会社に若尾がやってくる。アパート関係は全部処分した。だから自分と会ってくれ、一年で一回でもとすがる若尾を振り切って去らせる。若尾は洗面所で毒薬による自殺を遂げる。
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