2017年10月29日日曜日

パンドラ Pandora and the flying Dutchman 1951



アルバート・ルーイン監督、エヴァ・ガードナー、ジェイムズ・メイスンら出演のロムルス・フィルムズ作品、総天然色。
 
スペインの岸辺に打ち上げられた死体、ハイヤームの詩集『ルバイヤート』を持っていた。考古学者はその女と不思議な男について回想する。
魅力的な女性パンドラ(エヴァ・ガードナー)は多くの男を魅了する。彼女の目の前で、群衆監視の中、カーレーサーはいきなり死ぬ。別のカーレーサーも彼女に恋し、自らの車で海岸の崖のところまで連れて行く。求婚する。自分のために何でも犠牲にできるかと彼女が聞くと肯定する。それならこの車を崖から海へ落とせと言う。その通りにして彼女との結婚を取り付ける。彼女は考古学者から「さまよえるオランダ人」の伝説を聞く。

やや沖合に船が浮かんでいる。好奇心を持ったパンドラは泳いで船にたどり着く。誰もいない。中で男が絵を描いていた。見るとギリシア神話の箱を持つパンドラである。しかもその顔が自分に瓜二つ。奇遇に驚く女。男はオランダ人の船長(ジェイムズ・メイスン)とわかる。

彼女のところへかつて惹かれていた闘牛士がやってくる。婚約中と知りながら求婚する。彼の母であるジプシー女のところへ行く。占いをするが凶の結果となる。
考古学者は「さまよえるオランダ人」の古い原書を翻訳している。古語なので不明でありオランダ人のメイスンに翻訳を頼む。彼はそれをすらすら読み、またその原書を見なくても空で内容を読み上げる。

ガードナーとメイスンは内心惹かれ合っていた。抱擁するまでに至る。しかしメイスンは結婚できないとして婚礼の日に出航すると言う。
闘牛士はガードナーが実際に愛しているのはメイスンであると見抜く。闘牛前日の夜、彼の部屋に忍び込み、刺し殺す。
ところが明くる日、闘牛場にメイスンが現れ、驚いた闘牛士は牛に突かれ死ぬ。
メイスン出航の日、嵐が襲う。それにガードナーも乗船する。嵐で難破する。
 
フィルムセンターの特集で観たのだが、実はある場面、以前見たことを思い出した。女が自分への愛の証に車を崖から海に落としてくれと頼み、レーサーが実行するところである。そこの所だけ鮮明に覚えていた。子供の時であり、色つきであった記憶はない。映画を観ていてこういう一場面だけ思い出す、という経験がたまにある。