2018年3月31日土曜日

ならず者 昭和31年



青柳信雄監督の東宝白黒映画。三船敏郎主演。
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三船は渡世の木こりといった役。山奥の飯場にやってくる。昔いた所である。木こり頭の志村喬や賄い担当の清川虹子とは顔なじみである。清川の下に岡田茉莉子と白川由美がいる。鄙にはまれな美人が二人もいる設定。この木こり場は最近雨が降らず、原木を流して運搬もできず困っていた。

力はあるが乱暴な三船は仲間と喧嘩するなど、手を焼かせる男である。その三船は岡田に好意を持つようになった。岡田の方も内心満更でもないが、表面的には博打好きなど嫌いと言っている。

またこの木こり場にはインテリ風の柔弱な若い男がいた。妹を助けるため稼ぎに来たというが木こりとしては役に立たない。白川はこの男に惚れる。男へ妹が病気と連絡が来たが、木こり場ではカネが入らず給料もろくに出ない。白川は自分の貯金を使ってくれというが、受け取らない。清川が貸すと言って男に貯金を渡す。

博打で三船は仲間から給料全部を巻き上げる。これを見た志村は自分の貯金通帳を賭けて三船と勝負する。三船はまたも勝ち、山を下る。カネを取られた木こり仲間の一人が待ち伏せ、三船を谷底へ落とす。岡田が後からやって来て三船を助ける。実は三船は博打で勝ったカネ全部を木こり場へ置いてきたのである。

回復しつつある三船は岡田を抱擁する。これを見た志村は清川のところへ行く。二人の仲人が必要だ。そのためと言って清川に求婚する。その時、雨が降って来た。待ちに待った雨である。木こり場では全員、雨の中踊って狂喜する。三船と岡田の二人に白川が耳打ちする。二人は自分達が仲人になると、志村清川に叫ぶ。

三船と志村はいつもの型通りの役をこの映画でも演じている。三船と岡田のラブシーンなども見られる。
正直映画としては特に傑作とも思わないが、上に書いたように三船岡田の共演は価値がある。

更科功『爆発的進化論』新潮新書 2016


 爆発的進化論 1%の奇跡がヒトを作った (新潮新書)
生命誕生以来約40億年経っている。この間、爆発的な進化をした時期がある。

カンブリア爆発は有名である。本書は、生命進化にとって特に重要と思われる事柄を取り上げる。このような時代があったとマクロの歴史を追っていくやり方でない。
章の名は「膜」「口」「骨」「眼」など身体の各部から、最後の章は「命」である。これらの部位について、どのような進化があったかを説明する構成になっている。

極めて興味を引く、常識では考えつかないような経緯があったとわかる。啞然とするような理由を示される。進化論に興味を持つこと請け合いの書物である。