2018年5月31日木曜日

神様メール Le tout nouveau testament 2015


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ベルギーほか映画、ドルマル監督、115分。

神様の娘という少女が主人公。神様は妻(女神)及び主人公の娘と同居する。故イエス・キリストは息子である。ブリュッセルのアパートのような所に住んでいる。中年親爺で自分勝手な家長である。

神様は密閉された部屋でパソコンに向かい、人間にひどい運命を課す。風呂に入ったら電話が鳴るとか、パンを落とすとジャムを塗った側が下になるとか、店で並ぶと自分の列の進みが遅れるなどである。

立入禁止の父の部屋に入った娘は父親の意地悪さに憤慨する。兄のイエス・キリストと相談する。彼女は世界中の人に余命を知らせる電子メールを送る。家の洗濯機に入り、そこからブリュッセル市内のコインランドリーに行く。街に出た娘は兄キリストから言われたように6名の使徒を捜す。また題になっている新・新約聖書を使徒の話で作ることになる。

その使徒の物語が結構中心になる。ホームレスとか、事故で片腕を失った美女とか、意味のない仕事で人生を過ごしたと思っている男、少年時の体験から性的妄想になっている男、中年の夫から離れ、ゴリラに恋するようになった女(カトリーヌ・ドヌーヴが演じている)など。
父親の神様は娘がやったことに気づき、怒って洗濯機を通じ自分も下界に降りていく。しかし神様の無神経な態度によって、周りの者からボコボコにされる。
最後は家に残った母親(女神)の、パソコンの操作によってめでたく収まる。

観ていて以前の映画を思い出した。6人の使徒捜しは『七人の侍』を、洗濯機で下界に降りるは『ターミネーター』を、女のゴリラへの恋は『マックス、モナムール』を、などである。
意識的にそうしたのか、偶然の一致か、意図的なら自分の気がつかなかったものもあるだろう。

テレマークの要塞 The Heroes of Telemark 1965


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アンソニー・マン監督、米、英映画。総天然色、130分、カーク・ダグラス主演。

第二次世界大戦中のノルウェイのテレマークが舞台。実際にあった話が基になっている。
占領しているナチスとの戦いというよくある話で、原爆製造を阻止するというのが主題。原爆そのものの製造でなく、それに必要な重水素をここで造っている、その施設等を破壊しようとするノルウェイ人たち。何しろまだ原爆自体が作られていない時期で、当然何が目的か分からない者たちがカーク・ダグラス演じる科学者の指導の下、ナチスに戦いを挑む。

観た感想を一言で言えば、これほどナチスドイツの軍人が馬鹿で無能であれば、戦争に勝てるはずはない、ということである。やすやすと侵入を何度も見逃し、観ている最中、笑ってしまったほどである。

実話を基にしているため、また緊張感のなさもあり話の展開は面白くない。ナチスの無能さとノルウェイ人の勇敢を称えることが目的なのであろう。