2017年2月28日火曜日

女優 昭和22年



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衣笠貞之助監督による東宝の白黒映画。
女優松井須磨子の女優としての成長と島村抱月との恋を描いている。
俳優の養成所での苦労、名を売ってからの同僚の妨害、師である島村との醜聞に悩まされる姿を山田五十鈴が熱演する。

作成されたのは昭和22年というまさに戦後のデモクラシー全盛期で、解放への期待が大きかった時代であり、占領軍の民主化への要請に応える映画であった。制作当時、観客のどのような思いで観たか、現代の我々には追体験できない。

一部の人や周囲に邪魔されてうまくいかないという設定は、やや平板に見える。
この映画の価値は、やはり主演の山田五十鈴の演技だろう。あと制作された、戦後間もない民主化の時代の空気を味わえる。

子猫物語 昭和61年



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子猫(虎猫)のチャトラン、犬(パグ)の冒険物語。
子猫の誕生から始まる。箱に乗って川に流されて数々の試練を余儀なくされる。友人の犬が猫を追って助けに来る。

試練は見ていてもかなり大変そう。海岸の断崖から落とされ、荒波が打ち寄せるなか海から這い上がろうとし、また落ちる。もし岩の上に落ちたら最後だろう。
その他子熊、あるいは蛇との対決や海鳥に突かれたりする。
最後は猫、犬とも配偶者を得て子供たちに恵まれ、終わる。
この映画は作成当時大ヒットし、高い配収を上げた。外国にも輸出された。

子猫の可愛さ、動物たちの友情を描くという意図でつくられた。しかし現在では全く逆の評価しか受けていない。
動物映画では一匹の動物を描くにも多くの同種を使い編集する。この映画でも同様である。ただ上記のような危ない場面が多く出てきて、見ていても心配させるだけでなく、実際に動物を殺してしまう結果にもなったらしい。

そのため現在では恐ろしく評判が悪い。今後はこのような映画は作られないだろう。CGの利用による合成でも、現在の感覚からは許さない気がする。
ただし非難の大合唱を見ていると単純に雷同する気にはなれない。

2017年2月26日日曜日

第七の封印 1957年



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ベルイマンの映画の中でも特に有名な作品の一つであろう。
舞台は中世。主人公の騎士のところへ死神がやって来る。騎士はチェスをして勝ったら、自分を死から免れさせると死神に約束させて勝負を始める。この騎士と死神のチェス対決は何回か出てくる。

騎士は神の存在について疑問を持つ。この主人公の実存的な問題が映画の根底に流れる。キリスト教の原始的な信仰、疫病が蔓延して死の恐怖が人々を支配している設定。騎士は色々な人物に出会う。旅役者の夫婦、その座長で鍛冶屋の妻と駆け落ちする男等々。火あぶりの刑にされる魔女という少女、彼女にも騎士は悪魔などについて問いかける。
自らの城に辿り着く直前、騎士は死神との勝負に負ける。
 
題名自体、聖書の黙示録から取られている。黙示録について無知だと十分に理解できないではないかと思わせる映画である。