マンキウィッツ監督、米、108分。
戦争が終わった時、男は戦地の病院にいて記憶を失っていた。自分の名も忘れた。ある男からの手紙があり、ジョージ・テイラーとあった。これが自分の名前なのだろう。2023年3月31日金曜日
記憶の代償 Somewhere in the night 1946
暗い鏡 The dark mirror 1946
シオドマーク監督、米、85分、オリヴィア・デ・ハヴィランド主演。
室内に死体が転がっている場面から始まる。明くる朝、警察で聴取を受けている人々。同じ建物の住人が、被害者は若い女と一緒だったと証言する。秘書は、恋人がいたと言いその働いている場所を教えた。売り子だった。2023年3月30日木曜日
ブロンドの殺人者 Murder, my sweet 1943
エドワード・ドミトリク監督、米、95分、チャンドラーの『さらば愛しき人よ』の映画化。
映画は目隠しした主人公フィリップ・マーロウが警察に陳述するところから始まる。探偵事務所に刑務所を出所したばかりの大男がやって来て、昔の女を捜してくれと依頼する。2023年3月29日水曜日
キャットピープル Cat people 1942
ジャック・ターナー監督、米、73分、シモーヌ・シモン主演。
ニューヨークの公園の豹の檻の前で描いているシモン、そこに通りかかった技師はシモンに惹かれる。二人は結婚する。夜 La notte 1961
アントニオーニ監督、伊、121分、白黒映画。
マルチェロ・マエストロヤンニは作家、ジャンヌ・モローはその妻である。友人が入院している。見舞に行った後、用がありモローだけ先に帰る。恋のエチュード Les deux anglaises et le continent 1971
フランソワ・トリュフォー監督、仏、137分。
時代設定は20世紀初頭。フランス人の男主人公は母親の知り合いのイギリス娘をパリで知る。そのイギリスの海岸沿いの家に滞在する。2023年3月27日月曜日
淑女と拳骨 No time for love 1943
ミッチェル・ライゼン監督、米、83分。
女主人公は雑誌社のカメラマンで独立心が強い。ニューヨークの河川の地下で工事をしており、それを写真に撮りに行く。男たちは迷信深く女を嫌がるが、工夫たちを男らしい連中と思っていた、迷信を怖がるような幼児でないはずと主人公が言うと見栄を張って何でもないと言い出す。虹を掴む男 The secret life of Walter Mitty 1947
ノーマン・マクロード監督、米、110分、総天然色、ダニー・ケイ主演。
ケイは出版社で雑誌を担当している。空想癖があり、会議の途中で空想して夢の世界に入ってしまいドジをやらかすなどの毎日だった。テリファー Terrifier 2016
ダミアン・レオーネ監督、米、82分。
ピエロの扮装をした殺人鬼が次々と残虐な殺人を犯していく。2023年3月26日日曜日
春高楼の花の宴 昭和33年
衣笠貞之助監督、大映、111分、総天然色、鶴田浩二、山本富士子主演。
琴の家元の娘、山本富士子には相思の鶴田浩二がいた。鶴田はいざこざがあって今は身を隠している。その間、山本は会の理事長である上原謙と婚約した。九州で琴の演奏会があり、そこで山本は鶴田に再会する。鶴田は山本に告白をし、抱き合う。大巨獣ガッパ 昭和42年
野口晴康監督、日活、81分、日活唯一の怪獣映画。
南洋の島に船で行く。そこの洞窟で見つけた巨大な卵、やがて孵化し、ガッパの子供(幼虫?)が出てくる。これを日本に持って帰ろうと決める。島の住人たちは反対する。それでも日本にガッパの子供を運ぶ。元の島では親ガッパ(夫婦とも)が怒り出し、島の部落を破壊しまくる。2023年3月25日土曜日
拳銃貸します This gun for hire 1942
フランク・タトル監督、米、81分、ベロニカ・レイク、アラン・ラッド主演。
ラッドは殺し屋で、ある文書を手に入れ相手を殺す。その報酬で得た金は、盗まれて番号が分かっている札だった。騙されたと分かり警察に追われる。2023年3月24日金曜日
鹿島茂『フランス歳時記』中公新書 2002
副題に「生活風景12か月」とあるように、フランスの一年間、月ごとの歳時記である。4月から始まり、3月に終わる。夫々の月の話題の他、月の守護聖人、その月にまつわる文化人が語られる。
フランスの生活事情を日本人向けに解説しており、かつてに比べ地球化が進み、外国との距離が小さくなったといえども、そこの固有の文化は分からない。日本の文化をどれだけ外国人が知っていようかと考えれば分かる話である。フランスの生活事情に関心があれば興味を持って読める。
それにしてもかつて昭和40年代までフランスは日本人の憧れの的だった。なぜそうだったのか、理由は想像できなくもないが、ともかくあれほど憧れの対象だった外国はフランスをおいてない。もし当時本書のような本が出ていたら、今よりずっと関心を持って読まれただろう。
グッドール『音楽の進化史』 The story of music
いわゆる音楽史の本である。ただクラシック音楽(広義の)だけでなく、現代はポピュラーも扱っている。全体で8章から成り、そのうち最後の2章は「ポピュラーの時代」という題がついている。
音楽史は美術史と比べて不利である。美術なら写真で曲がりなりともその形は伝えられる。しかし音楽は本では音は出ず、それを言葉で伝えようとすると専門用語や楽譜が出てきて、音楽を楽しんでいるだけのファンには難しい場合が結構ある。CDをつける試みもあるが一部であるし、やはり制約がある。そのせいか美術史に比べ音楽史は良い本が相対的に少ない気がする。
本書は数ある音楽史の中で結構読み易く、得るところが多い本であると思う。(夏目大訳、河出書房、2014)
2023年3月17日金曜日
八條忠基『「勘違い」だらけの日本文化史』(淡交社) 2021
これまで理解していた歴史上の出来事、あるいは常識を、実際はこうであると説明している書籍である。
八咫烏の足は3本かとか、因幡の白兎の色はとか、十二単は12枚の重ね着なのかなどが例である。勘違いと題にあるが、今ではその内容を知らない人も結構いようと思われる事項がある。雑学集として面白い。
2023年3月16日木曜日
ルイス・フロイス『ヨーロッパ文化と日本文化』岩波文庫(1991年)
信長秀吉時代に日本で宣教し、同時代の記録を残しているので有名なフロイスによる日欧習俗比較論である。原著は1585年に書かれた。
内容は「男の風貌と衣服」「女とその風貌、風習」「児童とその風俗」「坊主とその風習」「寺院、聖像、宗教」「日本人の食事と飲酒」「日本の武器」「馬」「病気、医者、薬」「日本人の書法、書物等」「家族、建築、庭園等」「船」「劇、舞踏、歌、楽器」「以上以外」に分かれる。我々ではこうだが、日本人はこうである、といった対比で論じられているものがほとんどである。何しろ16世紀後半の記述である。日本人はこうしている、と書いてあっても現在の我々には、全くあずかり知らない内容が多い。書いてある対象を知らない、あるいはそんなことをしていたかと思う場合が多い。また、たまたま目にしたものをそこの全体に当てはめるなどは、知らぬ外国に対して往々にしてするものである。そういった疑問は例ごとに注釈があり、解説している。
自分の国であっても歴史には政治状況のようなものばかり書いてあるので、こういう風俗関連は分からなくなっているのである。
2023年3月13日月曜日
フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ 昭和41年
本多猪四郎監督、東宝、88分。
前作で登場したフランケンシュタイン、その細胞が海に流れ、新しいフランケンシュタイン、ガイラが生まれる。残忍で人食をする怪物である。2023年3月12日日曜日
炎と愛と 昭和36年
須川栄三監督、東宝、98分、総天然色映画、三橋達也主演。
戦時中、三橋達也は瀕死の平田昭彦を、漂流中の筏の上で頼まれて殺す。八州遊侠伝 男の盃 昭和38年
マキノ雅弘監督、東映、83分、白黒映画、片岡知恵蔵主演。
上州の町。国定忠治が死刑になって一年。今、町を仕切るやくざはたちが悪い。祭りの権利で利益を独占しようとする。目明しは志村喬で老齢なので、息子の千葉真一が十手は町のボスに渡せと言うが志村は聞かない。千葉の恋人役で藤純子が映画デビューとして出ている。2023年3月9日木曜日
バッド・バディ!私と彼の暗殺デート Mr. Right 2015
パコ・カベサス監督、米、95分。
女主人公は男運がなかった。たまたま会った男と恋に陥り、相手も女を好きになる。ところがこの男は暗殺者だった。今までの経歴から沢山の者たちが狙っている。2023年3月5日日曜日
ヨーロッパ横断特急 Trans europ express 1966
アラン・ロブ=グリエ監督、仏白、95分、白黒映画、ジャン=ルイ・トランティニャン主演。
ヨーロッパ横断特急とはパリとアントワープを結ぶ急行列車を指す。この列車でトランティナヤンは麻薬の運び屋をやっている。街に着きある娼婦との出会いがある。2023年3月4日土曜日
佐々木毅『近代政治思想の誕生』岩波新書 1981
政治思想史上、極めて興味深い16世紀の政治思想を対象とする。マキャヴェリとボダンの世紀である。ルネサンスと宗教改革の世紀である。中世から近代への移行期である。次の17世紀は絶対王政期、主権国家が確立し社会契約説の時代になる。およそ政治思想を考える上で16世紀はとりわけ関心の深い時代になる。本書の目次は次の通り。 1.クロード・セセル、2.ニッコロ・マキアヴェッリ、3.トマス・モア、4.カルヴァンとその弟子たち、5.ミシェル・ド・モンテーニュ、6.ジャン・ボダン、となっている。第1章のクロード・セセルは今では無名であるが、当時の思想状況の基調として、つまり多数意見として取り上げ、後の思想家らはセセルとの比較で論じられる場合がある。