2023年3月4日土曜日

佐々木毅『近代政治思想の誕生』岩波新書  1981

政治思想史上、極めて興味深い16世紀の政治思想を対象とする。マキャヴェリとボダンの世紀である。ルネサンスと宗教改革の世紀である。中世から近代への移行期である。次の17世紀は絶対王政期、主権国家が確立し社会契約説の時代になる。およそ政治思想を考える上で16世紀はとりわけ関心の深い時代になる。本書の目次は次の通り。

1.クロード・セセル、2.ニッコロ・マキアヴェッリ、3.トマス・モア、4.カルヴァンとその弟子たち、5.ミシェル・ド・モンテーニュ、6.ジャン・ボダン、となっている。第1章のクロード・セセルは今では無名であるが、当時の思想状況の基調として、つまり多数意見として取り上げ、後の思想家らはセセルとの比較で論じられる場合がある。

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