2014年4月29日火曜日

スコット『ウェイヴァリー』 Waverley 1814

スコットランドの作家ウォルター・スコットの処女作である。翻訳が新書版で出た。


原作は1814年に出版された。舞台は18世紀半ばのスコットランドとイングランド。英国革命で追われた側のチャールズ王子が時のハノーヴァー王家に反旗を翻した1745年の乱が背景である。

イギリス革命に疎い自分としてこの時期の勉強になった。また高校あたりの教科書ではここまで触れてあったか記憶が定かでないが、スコットランドが反ハノーヴァーであったとか、よく聞く高地地方(ハイランド)とか、その意味、大ブリテンの中での歴史的位置づけ、いろいろわかった。
主人公のウェイヴァリーが巡り合う女性でもっとも結婚しそうなローラと結ばれず、人物がやや型にはまっているローズと結婚するあたりなど『アイヴァンホー』を思い出させる。

こういう小説は今どきあまり人気がないのであろうか。ようやく翻訳が出たくらいだし。訳者の後書きによれば出版社を見つけるのも時間がかかったようだ。
ともかく読んでいて面白いし、発売当時ヨーロッパで大人気になったことはわかる。もっと他のスコットの小説、未訳が多いし翻訳してもらいたいものだ。

古典の新訳が流行っているようだが既訳のあるものばかり何度も出すのでなく、これまで翻訳のない面白い古典を訳してもらいたい。

2014年4月22日火曜日

丸山眞男の西洋政治思想史

こういう原稿があったのだ。丸山の日本政治思想史は、大学の講義録が何冊か著作集で出ている。元々西洋の政治思想史から出発した丸山だが、彼の西洋政治思想史の講義録が残されているとは思っていなかった。


『丸山眞男和文集』第1巻、みすず書房、2008年に所収された「十九世紀以降欧州社会思想史 庶民大学講義要旨 19462-4月」がそれである。

題名にある、三島の庶民大学に戦争直後丸山が関わったのは良く知られている。その際の講義要旨、文章とメモ書きの混在、文章のほうが多い、である。

十九世紀の思想が中心であるがその前史にも簡単に触れてある。

感想を言えば、時代を感じさせる。晩年に同様の講義をしたら違ったものになっただろう。
書いてある多くはいわば標準的というか率直に言えば素朴過ぎると感じる向きが多いと思われる。ドイツの社会、国家について多くのページを割いているは他に見られない特徴と言えるか。彼の専門のせいか、あるいは時代がドイツ史に今より興味があったからか。

2014年4月16日水曜日

モラル『中世の政治思想』 Political Thought in Medieval Times 1958

イギリスの政治思想史家、モラルの著書『中世の政治思想』(未来社、1975年)、原著は1958年の出版。題名とおり中世の政治思想史である。


中世は、他の時期のように主な思想家の考えの説明では思想史になりにくい。主な思想家がいないわけではないのだが、中世の政治思想の根底の流れの説明、これが例えば近代以降と比べより重要な時代であると思う。
この中世政治思想史の課題に対しかなり成功している著作であると評価する。

解説で概念的、図式的な叙述でありすぎるという批判があるかもしれないと述べられているが、やはりこういった図式的過ぎるくらいの著書をまず読みたい。
 通説と異なったことを述べようとする著書はある程度、正統というか標準的な理解がある者に対して意味がある。まず標準的、図式的な理解をしたい。

2014年4月15日火曜日

西洋政治思想史

佐々木毅、鷲見誠一、杉田敦共著の『西洋政治思想史』(北樹出版、1995年)を読んだ。
全体的に簡潔にまとまっている。全部で220頁、より厚い本が多い中で概要が述べられているような感じさえする思想史である。

 
他にも代表的といえる政治思想史の本はあり、それらはより詳しく、当然ながらその結果として分厚い著作となっている。
それらに比べまとまった、頁数の少ない本書は「入門的」なのだろうか。そう思うかもしれない。
ただ厚い著書は個々の思想家の言論がより詳しく書いてあったり、それに対する著者の意見が述べられていたりしてそのため大部になっている。
自分が思うに個々の思想家の言論をより詳しく知りたいのなら原著にあたるべきであり、思想史のような本であればポイントを簡潔に示すべきである。

そういう意味でこの著作は感心した。決して分厚い本が「専門的」でなく、簡潔にまとまっている本が「入門的」とは言えない。基準は厚い、薄いでなく内容である。

ダリオ・アルジェント

イタリアの有名なホラー映画監督ダリオ・アルジェントの『シャドー』を久しぶりに見直した。


あの腕が斧で切られる場面、テレビで昔観て鮮烈な記憶があり、全体を観たのも随分前になる。『サスペリア』が特に有名と思うけれど、『シャドー』見直してこんな映画だったんだと改めて感心した。これだけ残酷かつ美的に殺人を描いた映画はあまりないと思う。

2014年4月7日月曜日

ゴジラ映画その他

ゴジラ映画を見直している。「ゴジラ」「ゴジラの逆襲」「キングコング対ゴジラ」「モスラ対ゴジラ」「三大怪獣地球最大の決戦」「怪獣大戦争」「ゴジラエビラモスラ南海の決闘」「モスラの息子」


当たり前だが初期が面白く、自分が初めてみた「キングコング対ゴジラ」、それから「怪獣大戦争」あたりまでか。「南海の決戦」は当時見なかった。この辺までならなんとかなる。「ゴジラの息子」とか完全にお子様向けというよりつまらん怪獣映画とは別の観点で作られていてひどい作品だ。

自分がゴジラ映画に親しみ始めたころは最盛期と思う。だからこそゴジラ映画に特別な思いができたのではないか。

久しぶりの投稿

久しぶりに書きます。忘れていました。
第二の人生どうしようか。
前休んだときより心構えが異なっています。歳のせいでしょうか。