2018年5月3日木曜日

明治期製作の映画


これは一つの映画の題でなく、国立FAの「映画にみる明治の日本」企画での上映された回の、諸作品の総称である。

「明治の日本」1897-189924分は、フランスのリュミエール社による明治日本の記録である。映画の最初に本フィルムは1960年、フランスのアンドレ・マルロー文化相から国立近代美術館へ寄贈された、と説明が出る。外国のフィルムとは言え、日本最古の映像である。
着物と日本髪の女たちの集合、踊っていたり、随分ハレの映像といった感じの画面が続く。宴会というか食事のような場面、日本庭園、明治風建物の前の剣道の試合?なども出る。

映画を撮る、それで取られる側もかしこまっているといった感じ。あるいは絵葉書の活動写真版と言うべきか。思うに普通の日本の風景でも西洋人には珍しかったはずで、それらの記録の方がよかった気がしないでもない。それは現代の日本人から見てもそうだろう。
他にも何人かの男たちが飛びはねるという不思議な踊りや、アイヌが衣装をつけて踊っている、それを女の子たちが見ている場面など。

もっともExotic Japan絵葉書的風景の活動化だけでない。農村の場面もある。褌一本の裸の男が水車を足で回している。二本の細い竹を持って水車の上に乗っているのである。また水田で作業する女たち、これなど昭和の映像といっても通る位だ。蓑の笠をかぶっているのが若干時代を感じさせる。
また列車が着く場面があり、まさにリュミエールと思わせる。

「紅葉狩」明治32年、6分は、現存する最古の日本映画として名高い。柴田常吉撮影。何しろ歌舞伎役者が舞台で踊っているのを正面から撮影しているだけであり、演出ゼロである。最初の役者が躍っている最中、扇子を落とす所は有名だが、つまり取り直しもない。歴史的映像にミスが残っていて本人は残念であったか、分からない。

「明治二十八年の両国大相撲」明治33年、11分、表題と製作年のずれは不明。土屋常二撮影。力士の取り組みの記録なのであるが、背景は無地の幕なのである。映画を撮るため、観客は前方や横側にいたのであろうか。力士の二人の名が出る。負けた方が斜線で消される。それから取り組み。この繰り返しがかなりの数続く。途中、横綱小錦の一人土俵入りとして、小錦がしめ縄をつけ、四股を踏むところ(短時間である)が例外。

「第一篇 日露戦役 追懐ノ巻」昭和8年、22分、満洲映画協会は、日露戦争当時の映像を昭和時点で再編集したもの。当センターで過去に上映されてお馴染みの映像が出てくる。

「小林富次郎葬儀」明治43年、7分、吉沢商店は、ライオン(株)の創業者の葬列の記録。長い葬列が橋を渡っていく。その間、路面電車がよく通る。女の集団は白装束である。尾上松之助葬儀の際も、白装束裃の多くの男たちが続いていた。日本の喪服は元々白だったらしい。

「明治四十五年 四月四日 藤田男爵 葬式の実況」3分、福宝堂、藤田伝三郎とは民間人で初めて爵位を授けられた財界巨頭だそうで、その葬列実況。ただ画面は傷、というより破れと言った方がいい白の斑点が半分位を占め、その陰から映像を観るといったものである。

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