2018年5月27日日曜日

賃金・価格・利潤 Lohn, Preis und Profit


 マルクス・フォー・ビギナー〈4〉マルクス 賃金・価格・利潤 (マルクス・フォー・ビギナー 4)


マルクスの入門的著作として『賃労働と資本』と共に名高い。1865年の講演が元で、その際は出版されず、1898年に娘によって日の目を見た。

イギリスの労働者の、賃上げ等の労働運動についての意見に反論するという形で、マルクスの考えが述べられる。
要点は『賃労働と資本』と同じで、労働が凡ての価値を作り出すという労働価値説に従って、資本家は剰余価値と呼ばれる、本来は労働者のものである成果を掠め取っているという主張である。
労働価値説を仮に認めたとしても、おかしな主張になる。原材料や資本(機械や工場等)も元は労働によって生み出されたから結局は労働に帰属すると言う。しかしそれは以前の労働によるものであるから、なぜ今作っている成果物に労働力として関与している者が、凡ての価額を受け取れるのか?現在の付加価値分しか受け取れないはずではないか。

こういう当然すぎる疑問にマルクス自身はもちろん、解説にも何も説明がない。読んだ大月書店版は詳しい、わかりやすい解説が冒頭についており、本文を読まなくてもいいくらいだ。しかしそこにもこの疑問に対する説明がない。他の本には載っているのだろうか。
ともかくこの疑問が氷解されない限り、マルクス経済学を理解したとは思えない。
土屋保男訳、金子ハルオ解説、大槻書店、2009

0 件のコメント:

コメントを投稿