2018年5月24日木曜日

「煙突屋ペロー」 昭和5年


国立FAの「時代から観る日本アニメーション」企画での上映。

「戦前-トーキーへの移行とPR映画」と題する回では4本の映画上映と同センター員の解説が当初、及び3番目と4番目の前にあった。
最初の上映は『煙突屋ペロー』22分、童映社、田中喜次監督、ナレーション付、影絵による映画である。

架空の国の煙突屋ペロー。鳩を鷲から助けたので、鳩から兵隊の出る卵をもらう。王子が帰国するので観に行く。彼は王子の乗ってきた汽車に勝手に乗り込む。汽車が動きだし暴走、衝突して大破。死刑を宣告される。執行前の頼みで高い煙突に上りたいと言う。

煙突の上から見ると隣国の軍がやって来る。早速戦争準備をし、両国間で激しい戦闘が繰り広げられる。兵隊は皆やられた。あの鳩からもらった卵で兵隊を作りだす。その兵隊と隣国の軍で再び激しい戦闘。勝利し大臣から表彰され、田舎の母の元へ帰る。その帰省の汽車から見た風景は戦争で多くの人々が犠牲になり、町や野も破壊された惨状であった。もらった褒美も投げ出し、あの卵も捨てる。田舎で母親と平和な生活を送る。

今回の題にPR映画とある。これは傾向映画と同様に使っているらしい。ともかく本作は明瞭な反戦映画となっている。

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