2018年5月25日金曜日

茶目子の一日 昭和6年


国立FAの企画「戦前-トーキーへの移行とPR映画」で、他の3作と共に上映。

西倉喜代治監督、7分、パテトーキー版、レコード演奏を映画に同期させるディスク・トーキー方式である。
元々は大正8年に出た童謡、それを元にして作成された発声漫画映画。ミュージカルというか全編、歌で構成されており、オペラ形式の童謡漫画。

夜が明けた、という歌から始まり、娘の茶目子が起きて朝ごはん、学校へ行く。算術では三銭の鉛筆三本で幾らになるか、茶目子は3×3=9銭と掛け算で回答。読本では大岡裁きの一つであるいざりの釜盗人の話を茶目子が読む(というか歌う)。帰宅して先生から褒められたと茶目子が自慢、すると天狗のように鼻が伸びる。

ここでなぜか戦前のスポーツ選手、五輪のメダリスト、人見絹枝の実写フィルムが出る。走っている姿や顔など。本作の製作年に夭折したためか。

褒美に映画に連れて行ってもらう。チャンバラ映画で、侍があっという間に三人の首を斬り、転がる。これで終わり。
 正直随分シュールな映画であり、ともかく歌が面白い。日本の漫画映画の古典であることは間違いない。

なお茶目子が読む読本で、大岡裁きのいざりの場面も凡て上映された。今はいざりが差別語というので、カットされるという。馬鹿な話だ。こんなことを言う人は殺人が出てくる映画は上映禁止にすべきと思っているのか。「悪」の国をやっつける戦争映画は戦争賛美、奨励につながる、これはよほどまじめな心配である。

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