2018年3月20日火曜日

教授のおかしな妄想殺人 Irrational Man 2015


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ウディ・アレン監督の米映画。
無気力な大学教授が義憤から殺人を犯すが、その後困った事態になるという映画。

田舎の大学に転任してきた哲学の教授。彼は生きている目的がわからず、無気力に陥っている。いつ死んでも悔いがないという。

この教授に女子学生が惹かれる。教授と彼女が食堂にいる時、背中合わせの隣席から会話が聞こえてくる。女が自分の子供を裁判で取られそうになる。判事が悪者でその犠牲になっているという話をしている。
それを聞いた教授は俄然発奮し、そのような悪徳判事は、死ぬべきである、自分が実行し、世の中から悪をなくそうという使命感に燃える。生きがいができ充実した毎日になる。

その殺人は実行される。教授が期待したように全く縁のない彼に、嫌疑がかかるはずもない。ただいろいろな状況から女子学生が怪しみだす。教授に問いただし、彼は罪を白状する。しかしむしろ正義を実行したつもりの教授は全く反省しない。ところが別の者が容疑者として逮捕され有罪になりそうになる。女子学生は教授に自首を迫る。教授は約束する。しかし欧州へ情人と引っ越す予定がたっていた。邪魔になった女子学生を消そうとする。しかし人を呪わば穴二つのたとえとおり、自分が誤って事故死してしまう。

すぐにわかるのはドストエフスキーの『罪と罰』を下敷きにしているというか、その戯画化である。教授自身にロシヤ文学が好きで特にドストエフスキーと言わせている。
自首を勧める女子学生はソーニャだろう。

アレン監督の映画としてはあまり高い評価はできないのではないか。

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