2018年3月29日木曜日

佐藤勝彦『インフレーション宇宙論』ブルーバックス 2010


 インフレーション宇宙論―ビッグバンの前に何が起こったのか (ブルーバックス)
インフレーション論の提唱者の一人である佐藤教授による宇宙の始まりから、終わり方など宇宙論の本。

多くの話題をわかりやすく説明している。多くの本で宇宙の始まりはビッグバンと書いてあるが、そのビッグバンの前にはインフレーションで宇宙が飛躍的に拡大した時期があった。本当の宇宙の始まりはその前である。
ビッグバンは火の玉宇宙と呼ばれるように極めて高温の状態であった。なぜこのような火の玉が生まれたのか。初めは真空のエネルギーに満ちた超高温の状態であった。それが急激な膨張(インフレーション)によって大きくなり、真空エネルギーが熱に変わって火の玉、ビッグバンが生じたという。

そもそも無の状態から生じた点についても、説明がある。トンネル効果と、ホーキングによる虚数時間によって始まったという説である。

著者はインフレーション宇宙論の創始者の一人である。ただインフレーションという言葉を使ったのは米の学者である。そのため、インフレーション宇宙論という呼び方で今知られているこの節について書いてある文を見ても、米学者の名しか載っていないものがある。

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