2018年3月5日月曜日

クラウス『宇宙が始まる前には何があったのか?』青木薫訳、文春文庫、2017



 宇宙が始まる前には何があったのか? (文春文庫)
宇宙物理学者のローレンス・クラウスが書いた啓蒙書。

いかにして宇宙が始まったか、については多くの本が出ている。本著もこの根源的な問い、及び宇宙の構造について説明している。
宇宙がビッグバンから始まったとは、既に常識になっているだろう。それではその前はどうであったか。誰でも抱く疑問である。無から始まった、ということだが、日常的な感覚では分かりにくいだろう。無についての説明がある。また宇宙空間の無にもエネルギーがあるという点について、著者は早くから唱えていた学者である。

また興味深いのは、このような宇宙になったのは偶然である、という考えに対しては反発している。宇宙の究極原理を追及してきた学者としては、意味がなくてはならず、それは様々な定数も最後には意味があるものでなければならない。たまたまそうなった、では納得がいかないようである。

研究以外にも多くの啓蒙活動に従事していて、本著もその一である。

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