2017年10月10日火曜日

江戸川乱歩『青銅の魔人』 昭和24年



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江戸川乱歩の少年物の戦後第一作。乱歩の少年物は昭和11年の『怪人二十面相』を皮切りに翌年以降『少年探偵団』『妖怪博士』『大金塊』が発表された。
戦後になって光文社の雑誌「少年」に発表されたものが本作である。
深夜の銀座、ロボットのような異様な大男が現れ、時計店を襲い多くの時計を盗む。追いかけても忽然と姿を消す。この青銅の魔人に東京中が大騒ぎとなる。
特別高価で珍しい時計を持っている家にもその時計を盗むという予告が来る。警察に通知して厳重な警戒をする。それにも関わらず、その屋敷に魔人は神出鬼没。明智小五郎も登場する。しかしその時計のみならず、当家の子供や小林少年まで魔人にさらわれてしまう。

乱歩の少年物(に限らないが)はいつも同じトリックの使い回しで、岩波文庫による久しぶりの読み返しも途中までで、最後までの筋は見当がつく。それでも乱歩は面白い。その語り口の妙、文章力にある。何度でも読み返したい。
 
永年、少年たちに読み継がれてきた児童文学の秀作は、岩波文庫に収録されるべき古典である。(岩波文庫、2017年)

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