2017年10月2日月曜日

ブンガワンソロ 昭和26年



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市川崑監督となっている、終戦間際のジャワ島を舞台にした映画。白黒、新東宝。主な出演者は池部良、久慈あさみ等。
題名の「ブンガワンソロ」はソロ川を意味し、ジャワの歌で、戦中から戦後にかけて日本でも知られていたという。
20年の8月、ジャワ島のある家に実は脱走兵である日本人3人がやってくる。一人は病気なのでその家に彼らは居座る。その家人との交流、更に後から軍曹も加わる。最後は脱走兵を捜索する憲兵隊がやって来る。

有名な俳優が多く出ている。三人の脱走兵は、池部良、森繁久弥、伊藤雄之助であり、ジャワ人の家族は父が小沢栄、母が高橋豊子、娘のうち姉が久慈あさみで、妹が若山セツ子である。久慈はまだ若く、最初は反発していたが、後に池部と惹かれ合う仲になるヒロイン的存在。若山は子供みたいな役である。他に藤田進や山形勲など。

家族が現地語をしゃべり、字幕が出るのは特色。字幕が読みにくい所があるので、日本語でも良かったのではないかと思った。昔の映画によくあった中国人的日本語(?)「私、カネ、アルヨ」式とか。米映画なら全部英語にしてしまうだろう。日本人の潔癖その他のせいか。別に意思疎通の困難が主題でもないし。あちらの人に日本人のしゃべる言葉どう聞こえるか、きいてみたい気がした。
ともかく現地の言葉を喋る日本人俳優たち、はこの映画の売りの一つだろう。

実は映画の半分以上は他の監督が撮ったそうで、市川は会社に抗議して自らの名をクレジットからはずしてもらいたいと主張したそうだが、叶わなかった。
映画としては市川が全部監督していたら、もっと出来が良かったろうと思わせる。
市川崑監督として売り出すのは販売政策だろうが、鑑賞者はこの映画は市川が関わった作品であって、監督作でないと知っておくべきである。

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