経済学者の岩井克人がこれまでに書いた随筆や、論文といっていい文章を集めた本。最初の方は読みやすい内容の文章から成る。かつて著者が米のイェール大学で教えていた当時の学生から電子メールが来る。内容は著者の講義が面白かったので、それが学者になった理由の一端とあった。続いて幸福論では幸福とは金で買えない物とあって経済学者が言うだけ面白いと思った。続いて読書の話、『高慢と偏見』を初め、アガサ・クリスティや吉川英治の著書なども挙げてある。それも資本主義を考える上で参考になるものは、説明している。
更に著者の専門である貨幣についての分かりやすい説明がある。また会社の概念も、経済学の主流派の理解は全く間違っているとして、説明をする。後半になるとやや高度な文章も出てくるが、最後の方は著者が人生で出会った人や追悼文などがあって、これまでの経済学者としての人生の垣間が若干伺える。
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