以下の短編を含む。
となりの宇宙人 / 半村良 著/冷たい仕事 / 黒井千次 著/むかしばなし / 小松左京 著/隠し芸の男 / 城山三郎 著/少女架刑 / 吉村昭 著/あしたの夕刊 / 吉行淳之介 著/穴 / 山口瞳 著/網 / 多岐川恭 著/少年探偵 / 戸板康二 著/誤訳 / 松本清張 著/考える人 / 井上靖 著/鬼 / 円地文子 著
『となりの宇宙人』はアパートの隣に宇宙船が不時着し、乗っていた宇宙人をアパートの住人がみんなで助けるという話。下町の人情譚とも言うべき作品であるが、こういう助け合いがいつ頃まであったのか。今の日本では作り話の中にしか出てこない。『冷たい仕事』は冷蔵庫の中の霜取りを喜んでやるというこれまた古い時代の家電の話。『むかしばなし』は老婆が学生たちに昔の犯罪を話し怯えさせる。『隠し芸の男』はこれまた昔の会社の宴会で、腹を出して顔を描き、踊りをやるという昔の映画に出てくる芸をする男の話。『少女架刑』は死んだ少女が自分の死体がどう扱われていくかを語るという類のない話。『あしたの夕刊』は昔の新聞の夕刊は明日の日付になっていたということから始まり、不条理な展開になる。『穴』は庭にごみを捨てるために穴を掘るという話。『誤訳』はある国の作家が国際的な賞を取り、その賞金を寄付すると当初言ったが、後に撤回する。その理由をふとしたことから推測する話。『考える人』は僧侶のミイラの話で、以前、宿で見たミイラを捜しまわる。『鬼』は女に祟りついている鬼の話。
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