『その夜の宿』A lodging for the night 1877 詩人で犯罪者でもあったフランソワ・ヴィヨンの物語。1456年のクリスマス、ヴィヨンは仲間が殺人騒ぎを起こし逃げる。入れてもらった家での老人との対話。『水車屋のウィル』Will O’ the mill 1878 山中に住む少年ウィルは平野に都会に出たくてたまらない。叶わぬまま成人し、牧師の娘を見染める。結婚するはずだった。しかしウィルは後に心を変え、結婚は取り止めになる。傷心の娘は他の者と結婚し、まもなく死ぬ。ウィルは生まれた場所に留まり、老年になると尊敬されるようになる。高齢で死ぬ。
『天の摂理とギター』Providence and the guitar 1878 旅回りの芸人夫婦がある町にやって来る。許可を与える警察署長から嫌がらせを受ける。その後、イギリス人の学生に会い、宿に行く。『ねじれ首のジャネット』Thrawn Janet 1881 村の牧師が若い時に遭遇した怪奇譚。みんなにいじめられているジャネットを牧師は助け、牧師館で使う。後に牧師は黒い大男に出会う。ジャネットが首を吊って死んでいた。ジャネットは魔女になり焼死する。黒い男は悪魔だった。なぜ牧師が悪魔に魅入られたか不明。
『マーカイム』 Markheim マーカイムは骨董店に来て、店の主人を殺す。物色しようとしていたらある訪問者が来る。その男との会話が中心で、訪問者はマーカイム自身の分身、良心だった。マーカイムは後から来た女中に警察を呼ぶよう言う。『壜の小鬼』 The bottle imp 1891 はバルザックの『あら皮』やジェイコブズの『猿の手』と同列の作品。何でも願いが叶う、それには不幸が条件としてついてくる壜がある。本小説では主人公には婚約者がいて助けてくれる。
『声たちの島』The isle of voices 1893は『壜の小鬼』と同様の南海物。結婚した若者は魔術師である義父の手引きで、ある島に行く。そこではお金を入手できる。後に若者が行った島の人々は自分に親切にしてくれる。別の若い女と婚約する。その女が島の者は若者を食おうとしていると教える。逃げようとしたら声だけ聞こえる場所に行く。ここが以前、義父とお金を取りに来た場所だと知る。そこから初めに結婚した相手の家に魔法で戻る。「千夜一夜物語」に出てきそうな作品。
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