2018年6月17日日曜日

ふたりの旅路 Maģiskais kimono 2017


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ラトヴィア(及び日本)映画、マルテインソーンス監督、99分。

ラトヴィアの首都リガで着物ショウが開催される。主人公の桃井かおりはそのために当地に来ていた。そこで神戸の地震以来、消息不明になっていた夫(イッセー尾形)に会う。会うといっても普通の会い方でなく、桃井が仕事や観光であちこち行く際、つきまとい、何やらぶつぶつ独り言のように不自然極まる喋りをする。二人の会話の際も、普通ならこんな話を交わす人はいないだろうとしか思えない。

桃井は神戸の地震以来、何もかもやる気をなくしていた。地震の少し前、交通事故で娘を亡くし、地震で夫が開店するつもりでいたレストランは滅茶苦茶になる。夫は失踪してしまった。それがリガという異国で再会する。桃井が着物を着ているのは着物ショウのためと言えるが、夫は紋付き袴である。それでリガをあちこちうろつき回る。日本の街中でこんな姿を見かけるのは何か式に出席するため?それでもそこへ行ってから着替えるのではないか。もうフジヤマ、ゲイシャの世界である。

もちろん、桃井、尾形とも日本語しか喋らない。意思疎通ができなく、桃井は誤解でテレビの料理番組に出ることになる。それでも結果的には受ける(外交辞令的なところもあろうが)。永年、別れ別れになっていた夫婦がリガでよりを戻すという話である。

日本人だから変に見えるところがあるが、もし外人同士の話で、現地ではまず着なくなっている民族衣装を着ているとしたら、そんなに奇妙に見えないのではないか。
正直このように外人がイメージする日本人が出てくる映画は、今ではあまり多くないように思える。そういう意味で貴重な映画であった。

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