2018年6月8日金曜日

桃太郎の海鷲、フクチャンの潜水艦


いずれも国立FAの漫画映画特集で上映された、戦時の戦意昂揚映画。

「桃太郎の海鷲」は昭和17年、藝術映畫社、瀬尾光世監督、33分の白黒。
桃太郎が指揮官の空母から、動物たちの操縦する飛行機が飛び立つ。鬼ヶ島の敵基地を攻撃する。明らかに真珠湾攻撃を模した設定の映画である。
なお注意すべきは、本編は「桃太郎 海の神兵」ではないので混同しないこと。海の神兵は終戦の年、昭和20年の公開である。

「フクチャンの潜水艦」は昭和19年、朝日映画社、関屋五十三、横山隆一監督。
戦前から戦後にかけて新聞漫画として人気のあった、横山隆一原作の漫画の主人公、フクちゃんが登場する。もっとも映画では、幼い子であるフクちゃんは潜水艦の一乗組員であり、主人公として活躍するわけではない。これも敵方をやっつける潜水艦の話、船や空母ばかりでなく、街も攻撃する。敵機の爆弾投下で潜水すると、浸水しその対応に追われる場面が少し目立つ。

これらの戦意高揚漫画を見ると、当時の日本の願望であり、むしろ敵を日本に置き換えた方が現実に近いように思えてくる。

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