2018年6月9日土曜日

人間の値打ち Il Capitale Umano 2013

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イタリア映画、ヴィルズィ監督、109分。

複数の話の流れが進み、それらの絡み合い。サンドラ・ブロックの出た『クラッシュ』とかメキシコ映画『アモーレス・ペロス』のような作品。
映画冒頭で自転車に乗った男がはねられる。後に死亡する。映画はそれに関わった人々(本人の意思と関係なく)の話が展開する。

章に分かれ、各章名はそこで中心に描かれる人の名である。軽佻浮薄を絵に描いたような中年男は、子供の関わりで知り合った、金持ちの投資家からうまい話を聞く。全財産をつぎ込む。当然下落で価値が無くなる。
金持ちの妻は倦怠で、カネがあるため、劇場再建に乗りだし、それで協力を頼んだ「芸術家」と深い仲になる。
絵に描いたようなドラ息子の車が、冒頭の自転車をはねたと分かる。息子に嫌疑がかかる。本人は否定する。真相を知っていたのは、中年軽佻浮薄男の娘であり、ドラ息子と関係があった少女である。はねたのは不良視されている、娘と恋仲の少年である。泥酔したドラ息子から頼まれ、自分の車で家まで届けた。その際、不良視されている少年がドラ息子の車を運転し、自転車をはねたのである。彼女は恋人を助けようとするため、警察に言わない。

下落で大損した金持ちは息子の嫌疑と併せて窮地に陥る。妻は劇場を助けられなくなったと間男の所へ行くが罵倒される。
たまたま娘のパソコンの画面を見て中年の親は真相を知る。金持ちの妻に、情報提供と引き換えに、損に加え4割増しのカネを要求する。
少女は恋人の少年の家に行くが、警察が来ていた。
最後は、再びカネを儲けた金持ちのパーティで終わる。

字幕で解説が入る。事故で死亡した男には保険金が下りた。生涯稼得所得から計算して額が決められた。題名は英訳でHuman Capital 、日本語なら人的資本である。題名はこの保険金を指すらしい。経済学用語と重なるところもあるが、少し違った用法といえるかもしれない。

音楽としてヴィヴァルディの「四季」がよく流れる。いくら恋人のためとは言え、無実の者が有罪になってもいいのかとか、自分の敵や気にいらない相手は罵倒する、この辺りヨーロッパ文化なのかもしれないが、ついて行けないという感じ。

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