2018年6月8日金曜日

エミリヤ、自由への闘い Emilija iš Laisvės alėjos 2017


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リトアニア映画、ウルヴィダス監督、122分。

ソ連の一部であったリトアニア、そこでのソ連への抵抗運動、自由、独立の闘いが主題の映画である。
主人公は舞台女優になりたての若い女性。映画は回想なども多く、単純に観ているとよくわからないところがあったが、全体を観終わると繋がりがわかりやすい。

時は1972年、都会にやってきた主人公は、劇団に所属し女優を目指す。当時はソ連の検閲によって多くの自由が制限され、劇も同様である。内容が体制批判、ソ連批判を連想させるものがあれば上演できないだけでない。責任者はシベリヤ送りとなる。
劇団につきものの、劇団員同士の確執はもちろんある。主人公は棚ぼた式に主演の座を射止める。明白な抵抗を示した演出家は流刑になった。女主人公は、責任は自分にあると言い、他の者から制裁を受ける。実際の上演が開始されると検閲に合わせた筈の劇は、徹底的に反抗と自由を求める主張の場となる。劇場の上からはリトアニアの国旗が掲げられ、民衆は万歳を叫ぶ。主人公もシベリヤ送りになる。

映画では並行して、主人公の持つ手帳にある詩を巡る話がある。これは処刑された父親のものと思っていたが、最後に真相が明らかになる。

設定の1972年は実際に舞台となったリトアニア第二の都市で、抗議の焼身自殺があり、若者たちがソ連体制にデモをしていた。
ソ連の一部であった、とは結局のところ、ロシヤの植民地というより全く自由のない搾取を受けていた、が実態だったようだ。当時の日本ではそんな感覚はなかった。
なにしろ、映画の舞台となった1972年はあの連合赤軍事件の年である。なんとしてでも革命を成就したいと願い殺人まで犯した。彼らの理想の実現した、リトアニアのような国家での実際がこの映画である。

国立FAの映画上映前に、リトアニア駐日大使が挨拶した。上映後は女性の製作者と観客との意見交換会があった。

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