2014年10月1日水曜日

寒椿

大正10年制作の無声映画。畑中蔘坡監督、水谷八重子主演。最も早い時期の代表的女優水谷八重子が初めて出演した映画だそうだ。明治38年生まれの水谷はこの時まだ16歳。通っていた女学校からの要請でクレジットに名前は出さず「覆面令嬢」としたそうだ。
今日フィルムセンターで見たのだが、クレジットタイトルが小さくて(出演者一覧が一画面に出ている)、読めなかった。上の情報も映画を見てから調べてわかったのでもし最初からそうならもっと前でよく調べていたかもしれない。

 筋はおおよそ次のよう。
田舎の一軒家に老いた父と住む娘は、たまたま猟にやってきた華族へ落し物を届けたため気に入られ、その屋敷に奉公することになる。父親は娘に執着している若者ともみ合いになる。はずみで若者を殺めてしまう。刑事が奉公している屋敷にやってきて事情がわかる。娘は追い出される。刑事は娘の実家に赴き、自殺しようとしていた父を逮捕する。縄にかけられ引き連れられる父と帰ってくる娘は路上で邂逅、涙の別れとなる。そこへ華族の主人もやってくる。

 みてまず感じたのは中間字幕が恐ろしく少ない。だいたいの筋はもちろんわかる。しかしながら内容がわからないところが出てくる。いったい無声映画では中間字幕はたまにしか出てい。饒舌なトーキーに比べその簡潔さは無声映画の特徴であり長所であると思っていた。でも肝心なところで字幕が出ず、わからないのは困る。これは想像だが弁士が説明するので字幕を簡略化したのだろうか。細かいところで不明だったのは最終場面、華族の主人がやってきて父と話し合う。その内容が不明。想像はできるが。また父が嫌がる娘につきまとう男を殺す前に口論する。その内容がわからない。
家に帰ってこの映画の筋をインターネットで確認しようと思っていたが、こんな古い映画については筋を説明しているサイト等見つけられなかった。


 フィルムセンターの上映は音楽等なく文字通り無声、シーンとしたまま1時間以上みている。前にもこういう経験した。無声映画しかなかった当時は日本なら弁士がいたし外国でも伴奏等していて賑やかだったはず。こういう無声映画の鑑賞の仕方は特殊現代的か。

フィルムセンターはよく経験するが寝ている人がいて、いびきが聞こえる。今日はいびきの音は大きくないのだが無声で人数も少ない。気になる。わざわざやって来て寝る位なら家で寝ていればいいのに。

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