2014年10月31日金曜日

暗黒の恐怖 Panic in the Streets 1950

エリア・カザン監督のフィルム・ノワール、題名のパニックは伝染病の蔓延を指す。


 主人公の衛生局担当官はリチャード・ウィドマーク、悪役でおなじみだがまだ若い。ここでは伝染病を防ぐべく警察と組んで病原菌保有者を捜す正義漢を演じている
港町に病原菌を持つ密入国者がやってきてならず者たちに殺される。その死体から悪性の伝染病がわかる。犯人たちに感染しているはずなので街全体、また国全体に蔓延する前に捕まえようとする。

 ドキュメンタリー的で迫力ある構成となっている。考えさせられたのは一般への広報の問題である。記者が嗅ぎつける。市民に知らせるべきと言う。犯人逃亡を恐れる主人公や警察に阻止され記者は拘束される。ジャーナリズムなら市民は知る権利があり自らを守るため、知らせるべきというのは当然であろう。結果的に映画だから最悪の事態は避けられるわけだが、現実ではどうなるかわからない。

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