2014年10月16日木曜日

救ひを求むる人々

オーストリア出身のスタンバーグ監督の処女作、1925年。もちろん無声である。


 港の場面から始まる。中間字幕がやたらと多い。ゴミが浮かぶ海面とか。浚渫のクレーンが何度も出る。若者は失業していて港で職を捜しているが見つからない。知り合いの娘も同様。また幼い男の子、親を事故で亡くしている。ゴロツキのような男がからんでくる。若者はろくに抵抗も出来ない。港の暮らしは泥の中で生活をしているようだ、というので三人は街へ出る。明るいはずだと期待して。街に行っても仕事がないのは同様。不良の青年が寄ってきて自分のところへ住むよう誘う。彼の関心は若い娘であって客引きをさせようと目論んでいる。幼い子が空腹を訴えるので見かねた娘は自分から仕事を申し出る。ただ客を前にすると尻込みして踏み切れない。不良青年は彼ら三人を郊外へ車で連れ出す。夢が叶う場所という宣伝文句のある土地の売地へ行く。そこで休憩をとる。そのうち青年が幼い子がうるさくなって邪見に扱うので、若者は青年に躍りかかり喧嘩になる。青年は喧嘩で青年を倒す。もう自分自身に自信がついた。三人で胸を張って道を歩んでいく。

 映画として極めてストレートな主題である。空想で夢を描くのではなく、自分がやれるという自信、自分自身に対する自信こそ重要。このようなわかりやすさは初期の映画ならではと思う。

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