2014年10月4日土曜日

さらば青春

1918年制作のイタリア映画。アウグスト・ジェニーナ監督。

フィルムセンターが世界で唯一持っていたフィルムをイタリアと協力して、残っていた資料から中間字幕を再現挿入し、デジタル処理を行って上映。
ただし元のフィルムが古いだけでなく、経年劣化を防ぐ手立ては今のところないよう。途中で画面が崩れるところしばしばあり、場面も飛んでいる。

話は大学生のロマンスである。田舎からトリノの大学へやって来た青年が下宿先の娘と親密な仲になる。同じ建物に住む裁縫師の女性も青年に惹かれる。青年もまんざらでなくなる。娘はやきもちを焼き、なんとか青年を自分に引き止めておくべく算段し、最後は裁縫師の女性に掛け合い、手を引かせる。ただしこの騒動で二人の仲はまずくなり青年は下宿を変える。大学を卒業し田舎へ帰る日が来る。未だに青年が忘れられない娘は会いに行き二人はお互いに好きなことを確認し合う。戻らないでほしいと娘は頼む。青年はまた会えると言って去る。さらば青春、さらば恋。

 話としてはたいしたことない。しかし最終場面は少し驚いた。お互い好き合っているなら娘も男について行くとか、ともかく一緒になればいいじゃないか。とアメリカ映画に毒されているせいかまずそう思う。ただこのような終わりなので大正時代に日本で上映された際にも日本人には共感できるところ大きかったのであろう。

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