2014年10月22日水曜日

人生の乞食 Beggars of Life 1928

ルイーズ・ブルックスがドイツへ渡る前年の1928年の米映画、監督は『つばさ』が有名なウェルマン。この映画はトーキーで作られたらしい。もっともセリフは少なかったようだが。見たのは音楽付きの無声版である。



 浮浪者の青年がたまたま覗いた一軒家で死んでいる男を見つける。二階で音がする。見上げると少女(ブルックス)がいる。里親が乱暴しようとしたので銃で撃ったと話す。家から二人は逃げる。少女は男装というか少年の服装で。青年は自分と逆方向へ逃げろというが結局同じ汽車に飛び乗って同行することなる。『サリバンの旅』の主人公とヴェロニカ・レイクを思い出した。車掌に見つかって降ろされる。浮浪者の仲間のところへ行く。この浮浪者仲間で少女は男装を見破られ、また警官隊も追ってくるのだがなんとか逃げ出す。浮浪者のボスが二人に好意的になる。警察は男装の少女を追っているので女の服を買ってくるなど算段してくれる。さらに殺人の罪をもみ消すために工夫をしようとする。その際警官に撃たれてしまう。若者二人は用意してもらった車で逃げていく。

 ブルックスはほとんど出ずっぱり。前半の汽車や乾草などの逃走場面では少年姿が魅力的である。後半はただ出ているだけの脇役のようになる。後半では浮浪者のボスがむしろ主人公である。このボスは好人物ということであろう。若者二人に別れて逃げた方が安全と説教する。少女が一緒にいたいと言う。真の恋を初めてみたと感動するのだが、少し話が良過ぎ。このボスはヴィダァ監督の『チャンプ』で主人公をつとめている。

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