2015年3月24日火曜日

二代目はクリスチャン 昭和60年

井筒和幸監督による、志穂美悦子主演の角川映画十周年記念映画。志穂美演じるシスターが結婚する相手がやくざの2代目であり、夫に代わってやくざの抗争に巻き込まれる話。

話は大きく二つの部分に分かれる。志穂美に恋する二人の男、一人はやくざの岩城滉一、もう一人は刑事の柄本明。志穂美を得ようとして二人が競争する前半。前半は喜劇的な作りである。後半では岩城と結婚した志穂美がやくざの二代目を継がざるを得なくなり、手下の「教化」と最終部分では敵役やくざとの暴力闘争、殴り込みとなる。

映画の作りとして見た場合、不自然さを感じた。志穂美のシスターは、まさに絵にかいたようにキリスト信者の言う理想を説き、行動も犠牲的・理想的に振る舞う。それが最後には大立ち回りとなり相手方を切り殺していく。この転換が納得的でない。理屈としてはわかるのである。つまりあまりに多くの仲間が惨殺されたからである。しかし理屈と映画をみて感じる自然さとは別である。見ていて納得的でなかったからである。

最後の立ち回りで相手方をどんどん斬っていくことも現実にはあり得ない。しかしこういう非現実さは何も不自然と感じない。それが話のつながり(転換)については気になるのである。これは自分だけの好みの問題であろうか。

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