2015年3月3日火曜日

美しい都市 2004年

イランのファルハディ監督による総天然色映画。


少年院に収容されている若い男が18歳になる。これは死刑にできるということを意味する。その友人と死刑囚の姉が阻止しようと努力する、これが映画の大きな筋である。

死刑を宣告されたのは恋人を殺したため。その父親が死刑を撤回しない限り(許さない限り)執行されてしまう。それで友人と姉はなんとか説得しようとするわけである。
いわば被害者の身内が加害者の刑(それも死刑か釈放か)を決められるのである。日本とあまりに異なる。どんなに被害者の遺族が怒ろうが許そうが、検察と弁護士の間の裁判で刑が決まるのが日本の(そして先進国の)制度だからだ。当然ながら被害者の父親は許そうとしない。

いったん解決したかと思ったらさらに友人には難題がふりかかる。これも細かく説明すると面倒で省略する。簡単に言ってしまえば自分が友人のために犠牲になれるかどうかを迫られるわけである。

題名の「美しい都市」とは少年院(収容所)のある地名である。
異なった仕組みの社会ならでは悩みなので日本では起こらないものの、主人公である友人と姉(この二人は惹かれ合うわけでもある)の苦悩は理解できる。

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