2015年3月8日日曜日

頬にキス 2002年

インドのマニラトナム監督による総天然色映画。

自分を養女と知った少女が生みの母親捜しをする映画。この原因はスリランカの内戦による。

スリランカで結婚してすぐに戦火を逃れてインドへ渡る女性。そこで女の赤ん坊を産む。これが映画の幼い主人公というべき少女。映画自体は数年たって少女に成長した時から始まる。自分が養女と知ったので両親にその経緯を尋ねる。

自分の「本当の」母親をどうしても捜しだしたい。家出までする。両親も一緒に捜そうとなってスリランカまで行く。そこは内戦の地で、彼らと案内してくれたスリランカの友人までも命を落としそうな危険に晒される。

全く映画を見るたびにいつも思うのは、どうして映画に出てくる子供というのは、ああも自分勝手というかわがままな子供ばかりなんだろうか。まわりの都合一切考えず自分の言いたいこと言ってやりたいことやって大人たちを困らせる子供ばかりである。
もしこのタイプでなければそれ自体が映画のテーマとなるような子供になってしまう。

そして他のアジア映画のヒロインと同じくこの少女も自己主張が極めて強い。こんな強気の女ばかりだったら女性差別なんてあまり問題ないのでは思ってしまうくらいだ。

この映画で一番気になったのは、少女が生みの親が別にいると分かった途端、それが本当の親で、それまで育てた母親をほとんど顧みなくなってしまうことである。

日本だったら映画でも成瀬己喜男の『生さぬ仲』を初め、生みの親より育ての親というのが当たり前となっている。記憶にあるほかの映画でもみんな生みの親に今更言われてもという感じなのである。

ところがこの映画ではあくまでも生みの親第一主義の発想なのである。インドではこうなのだろうか?たまたまこの映画での設定の話なのか。教えてもらいたいと思った。

もう一つ映画の本筋と関係ないが登場人物が、日本は平和主義だが世界一の武器大国とか言うのである。どこからのデータだろうか。ウィキペディアの「軍需産業」の項によると会社別の武器生産の世界ランキングでは三菱重工業が世界24位で日本の中で最高。防衛予算では日本は世界6位、世界輸出国ランキングで15位まで名が出ているが、日本は入っていない。ただ他のソースで猟銃や弾薬などの「小型武器」の輸出に限ると日本は世界の9位となる統計がスイスの研究所から出ているそうである。

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