2014年12月8日月曜日

ケラー『村のロメオとユリア』 Romeo und Julia auf Dorfe 1856

スイスの作家ゴットフリート・ケラーの短編小説。日本の感覚なら中編小説と言っていいかもしれない。


スイスの田舎。畑が隣り合う二軒の農家、領地の境界問題で争い仲が悪くなる。二つの家には青年と少女がいて小さいときから知り合う仲だった。幼い時代は男の子が女の子をいじめていた。両家とも景気が悪くなる。男の子の家は町へ出てみすぼらしい居酒屋を始める。その店もほとんど行き詰まる。一方農家を続ける女の子の家も窮していくばかりである。
大きくなって再会した若い二人はお互いに惹かれる。駆け落ちしようにも先立つものがほとんどない。しかしそれでも敢えて実行し、悲劇的な結末を迎える。

題名にはロメオとユリアとあるが、話中の青年はサリー、娘の名はヴレーンヘンである。
昭和9年初版、47年改訳の岩波文庫版。

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