2014年12月9日火曜日

女に強くなる工夫の数々 昭和38年

千葉泰樹監督の総天然色映画。妻の尻に敷かれている夫たちの「反逆」の試みを描く。

 家電メーカーの提供で「男性飼育コンテスト」なるテレビ番組が始まる。趣旨は日頃女房の仕事となっている料理等の家事を旦那がやりその出来栄えを競うというもの。
出た夫婦は加東大介と淡島千景、有島一郎と淡路恵子、フランキー堺と白川由美、高島忠夫と団令子の4組。このうち加東はスポンサーの課長なのだが予定組のドタキャンで急遽代理で出ることに。この加東の部下の宝田明、そのフィアンセでモデルの司葉子は夫婦予備軍。番組が終わった後加東が苦労した出演者の旦那たちに声をかけ飲み屋で慰労会。みんな妻に頭が上がらないようだ。これを聞いて宝田も自分の結婚に不安になってくる。そこへ後ろから現れたのが植木等。無責任男そのままのC調でみんなにもっとadventureをやれとはっぱをかける。さっそくみんな発奮するのだが、結果は想像できるであろう。

一番尺をとっているのは呉服商のフランキー堺。妻の白川と姑の浦部粂子はけちで家庭内では叱られている。集金に行ったアパートの隣室の女、草笛光子から声をかけられる。沢山売れただけでなく誘惑される。すっかり上機嫌になった彼、明くる日に集金に行くと前の晩夜逃げしたと聞かされる。
結婚に疑問を持つようになった宝田が司に熱心でなくなると、彼女はCM作曲家の平田昭彦と仲が良くなる。とうとうホテルまで連れ出そうとするので司も抵抗し、宝田も平田を張り倒し二人のよりが戻る。

高度成長期ならではの話である。家電一式が懸賞のコンテストとか、企業専属のモデルとか。呉服商という商売で家を一軒づつ回って着物を売る、また女性で普通に着物に需要があった時代。夫に家事をやらせることが番組になるなど、今の夫婦では家事の分業は当たり前が多く現代では考えられない。そもそもこの番組の名が「男性飼育コンテスト」!飼育などという言葉今なら使うはずもない。

0 件のコメント:

コメントを投稿