2014年12月24日水曜日

ホノルル・東京・香港 昭和38年

千葉泰樹監督による宝田明と香港の女優尤敏(ユーミン)の他、加山雄三などが出ている海外ロケの総天然色映画。


加山は宝田の弟役でホノルルの大学に留学している。宝田がホノルルへ来ると加山から大学仲間の星由里子や尤敏を紹介される。また宝田のかつての恋人草笛光子がここでバーの仕事をしていると聞かされる。草笛に会うと亡くなった夫を慕い日本に帰るつもりはないと言われる。加山、尤敏とドライブに行くと彼女から実は草笛は夫と離婚し、カネ稼ぎのため昼夜苦労して仕事をしていると知る。

尤敏は義理の親から香港に、幼い当時両親が決めた婚約者がいる、彼に会いに行けと言われる。彼女がミス・ハワイになりその賞として東京と香港旅行が可能になったからだ。日本語を知らない彼女のため宝田が同行することになった。また彼は草笛に東京への旅行券を贈る。

東京に着いたのち、宝田は尤敏の好奇心と冒険心の強い行ないに振り回される。香港にも宝田は仕事のため一緒に行く。香港で尤敏の婚約者が、彼女の妹と結婚する仲になっていたことを知る。妹たちの結婚を祝福し、元々内心好き合っていた宝田と尤敏も結婚することを決心する。草笛はもらった旅行券で日本へ帰り東京で二人に再会し、ハワイへ戻ると告げる。
ハワイの加山も尤敏を好いていたのでガッカリするが、星との将来がある。

この映画が作られたのは東京オリンピックの前である。当時の日本人にとって海外留学はもちろん旅行でさえ夢であった。加山がハワイの大学へ英語の勉強に来ていてドラ息子の設定である。今ならごく普通に誰でも海外の語学留学している。非常に現代的な設定である。しかし当時としては稀なケースではないか。また一層驚くのは加山にしても(宝田もそう)極めて流暢というか複雑な英会話を日本語と同様に喋っている。こんなに喋れるなら語学留学の必要もない。

更に尤敏の行動である。東京でやることは、自分勝手で自己中心の世間知らずのアメリカ人がやりそうなイメージそのままである。和式旅館に泊まりたいと言いながら靴ばきのまま上がる、風呂で石鹸を使う、寝台がないと言って騒ぐなどである。アメリカで育った中国人なのでアメリカ人(のイメージ)そのままの設定にしたのだろうか。

まだ国際化とはほど遠い、全く縁のない時代の日本人がどう外国人、中国人を描いたかの興味をもって見た。

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