2025年7月8日火曜日

埴谷雄高、小川国夫『闇の中の夢想』Lecture books 朝日出版社 1982

小説家の埴谷と小川の映画対談である。普通このLecturee bookシリーズは専門家に素人が教えを乞うといったものが多いのだが、本書は例外的で、埴谷が昔みた映画の思い出を語り、時々、小川が自分の思い出や意見を言うという本である。映画の特色や映画の見方といった映画論の部分がないわけでもないが、ほとんど老人の思い出話である。

なぜこんな本になったのか。これは出版社の担当がぜひ埴谷と小川に対談をしてもらいたいとねばり、それで実現したのだそうだ。埴谷が昔どんな映画を見ていたのか、に興味があれば読む価値はあるのだろう。埴谷という人は昔はかなり大物というか、意見を聞きたがっている人が多かったらしい。

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