大岡昇平が主にイギリスの、無罪となった裁判物語を13編書いている。当初の発表は1956年から1962年にかけての雑誌上である。原典は E. Villiers, Riddle of crime, 1928という、判決が無罪となった裁判読物だそうだ。原典の発表時期を見ても分かるように、かなり古い時代の事件が集められている。
知っていたのはここでは「黒い服の男」という題で収められている、マドレイン・スミスの事件と「サッコとヴァンゼッティ」事件だけである。古い時代の犯罪なので、事件そのものだけでなく、その当時の現在とは全く異なる時代状況が伺われ、それに興味を持つ。
0 件のコメント:
コメントを投稿