2025年7月6日日曜日

河野龍太郎『日本経済の死角』ちくま新書 2025

近年の日本経済はあまり好調とは言い難い。その原因は何か。本書によるとそれは実質賃金が上昇していないからだと言う。日本経済の生産性が1998年から2023年までに3割上がっている。それなのに実質賃金は横ばいのままである。つまり企業が内部留保を貯めこんで、労働者に回さない。それで賃金は上がらない。

これまではデフレで、賃金が上がらないのは正当化されていたが、企業は儲けているのに労働者に回さず、しかも近時はインフレになってきている。それで実質賃金は下がっている。日本全体が貧しくなっている。この主張が繰り返し語られ、日本経済が成長しなくなっている元凶と言っている。

0 件のコメント:

コメントを投稿