2020年11月1日日曜日

風の視線 昭和38年

 川頭義郎監督、松竹、105分、白黒映画。松本清張原作の映画化。

三角関係がかなり込み入った映画である。原作の松本清張も出演、2か所に出て台詞がある。

東北へ新婚旅行に来ているカメラマンとその妻(若い岩下志麻が演じる)は、たまたま死体を見つけ早速夫はカメラマンの本領発揮で写真を撮りまくる。

夫は新妻に全く興味がなさそうである。なぜ結婚したかと観ている者は思ってしまう。夫だけでない。妻の岩下も勧められて結婚した。夫婦二人とも好きな相手がいて、共に既婚だった。それで結婚を勧められ一緒になったのである。夫は新珠三千代を好きになっていたが、既婚である。その新珠の夫は会社の社長ないし重役で、岩下を以前自分の女にしていた。つまり新珠とその夫の恋人同士を娶わせたのである。

新珠も夫の仲は冷えており、佐田啓二演じる新聞社幹部と相思の仲だった。ただし深い関係にはなっていない。新珠の夫が外国から一時帰国する。早速、夫は岩下と会う。岩下も新婚の夫が自分に興味がなく、かつての恋人が真剣に自分を愛してくれるなら、一緒になりたいと思っていたが、後の方になって相手の正体を知り幻滅する。

佐田も既婚だったが、告げ口で妻に新珠との仲を知られる。別れて新珠と一緒になりたく思う。新珠の夫は密輸で逮捕される。新珠は姑の世話で別れるわけにはいかない。岩下の夫も新珠に思いを打ち明けるがもちろん相手も自分も既婚で、一緒になるのは不可能である。

岩下は自分が思いをかけていた男の正体を知り、カメラマンの夫の元に戻る。夫も岩下を本当に好きになった。佐田は佐渡へ赴任を希望し単身で行く。2年後、新珠の姑が死亡し、佐渡の佐田の元へ新珠は向かう。佐田と一緒になるために。

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