2020年11月6日金曜日

井上ひさし『事件調書』 1978~1982

 実際にあった犯罪の記録を井上がまとめたもので、以下の20の事件が含まれる。

煉歯磨殺人事件、女青髭殺人事件、肉屋の親方殺人事件、入婿連続殺人事件、ドルース=ポートランド株式会社事件、松山城放火事件、浴槽の花嫁殺人事件、岩手山麓殺人事件、ベンダーホテル大量殺人事件、背振村騒擾事件、ピルトダウン人偽造事件、連続異常妊娠事件、愛国者H十七号事件、信濃川バラバラ事件、熊毛ギロチン事件、海賊船「大輝丸」事件、「梅枝殺し」殺人事件、福笑い殺人事件、カスペ事件、柳島四人殺し事件。

内容は日本だけでなく外国の事件も含む。

このような犯罪実録ものではよく収録され、周知とも言える事件がここにも入っている。例えば「肉屋の親方殺人事件」は1920年代のドイツであった少年が犠牲になった連続殺人事件であるし、「愛国者H十七号事件」は有名な女スパイ、マタハリの記録である。「浴槽の花嫁殺人事件」も有名であろう。「信濃川バラバラ事件」は米騒動当時、農林省のエリートによる殺人事件である。「入婿連続殺人事件」は和歌山県の海沿いの田舎の事件で、松本清張の記録とまとめ方はかなり違う。

井上ひさし短編中編小説集成第9巻、岩波書店、2015

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