2019年4月12日金曜日

ペドロ・カルデロン・デ・ラ・バルカ『愛に愚弄は禁物』 No hay burlas con el amor 1635

この劇は外套と剣の喜劇とある。現代で外套と(短)剣とはスパイ物、サスペンス物を指す。元はカルデロン等のスペイン劇から来た言葉で、ここではそのスペイン劇なのであるが、現代の用法とはかなり異なる。
少なくとも本作は恋愛騒動劇といったところである。

二人の姉妹がいて姉は相当インテリで当時の基準からいったら全く女としては評価されない。ドン・ファンはそのうち妹に恋している。しかし年齢順にしか結婚できないのが普通である。それで困って友人のドン・アロンソへ相談に行く。ドン・アロンソの下男に手紙を持たせ、姉妹の家の下女を通し妹に渡したい。ドン・アロンソの下男と姉妹の下女は恋愛関係にある。
妹には渡るが読もうとすると姉が来て見せろと言う。もみ合っているうちに父親が来てどちらへの手紙だと問題になる。

更にその後、下男の恋人である下女をドン・アロンソが見初めて、下男がはらはらするところなどがある。最終的にはドン・アロンソはインテリの姉と、ドン・ファンは最初からの思い通り妹と結ばれる。
佐竹謙一訳「スペイン黄金世紀演劇集」名古屋大学出版会、2003年所収

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