2019年4月9日火曜日

黒馬の團七 昭和23年

稲垣浩監督、新東宝映画、100分、白黒、大河内傳次郎主演。

江戸時代、ある田舎の馬市。ここで馬を売らないと首が回らない老人とその娘。大河内扮する馬子の團七親方は高価で落とす。その黒馬を引き連れていくと関所がある。以前はなかったが新しい役人の命で設けられたのこと。必要な手形を取りに行っている最中、置いておいた馬に若殿が目をつける。お世辞を言う役人は若殿にそれを進呈する。親方が戻って来てみると、自分の馬が見当たらない。関所がこれだと言う馬は自分のものでない。この関所側の騙しには我慢ができない。あくまでも自分の馬を返せとその後も言い張る。そのため村の長たちから村全体が迷惑を受けていると言われる始末になる。

まず代官にあたってみる。そこで埒が明かないので、江戸の藩邸まで赴く。そこでたまたま話の分かった老中に、聞き入れられる。郷から次々と黒馬を引き連れてくるがいずれも違うと答える。流石に老中側も業を煮やし、親方は牢に入れられる。そのうち田舎から手下の若者が来る。親方の妻が関所に連れていかれ、殺されたと教える。
團七親方は牢から出され帰郷が許される。しかしその後をつけてきた侍たちが亡き者にしようとする。難をなんとか逃れ田舎に着く。その親からを役人たちは捜索するが村人たちは教えない。最後に自分の馬が見つかった團七は自ら名乗り出る。役人たちと村人の争いになろうとするが、仲裁で大団円を迎える。

いわゆる占領中の剣戟ご法度時代の時代劇である。権力にあくまでも歯向かう主人公の姿は戦後の民主主義のあるべき姿と、当時は映ったのであろうか。

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