2019年4月29日月曜日

人斬り与太 狂犬三兄弟 昭和47年

深作欣二監督、東映、総天然色、86分。現代やくざシリーズの最終作。
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相手やくざを刺し6年間刑務所暮らしの後、出所した菅原文太を待っていたのは、弟分の田中邦衛だけである。組に帰ると組長は宥和政策で、敵を潰す気などなく、菅原は大いにくさる。渡辺文雄が組長の、敵方の島の賭博場で助けた蛇使いの男とは気安くなる。

バーの2階で売春を始める。田舎娘を菅原は強姦し、客を取らせるようにする。組にも内緒の売春宿で菅原らは大儲けをする。渡辺方はそれを菅原属する組に垂れ込む。激怒した組長は菅原をどやしつける。渡辺の組は蛇使いを拉致し殺す。菅原は復讐で敵の代貸を殺す。弟分の田中は、実家にいつものようにカネをせびりに行き、堪忍袋の緒が切れた兄弟、母親に殴り殺される。

菅原に我慢が出来なくなった組長は、菅原殺害を命じる。自分を組長が殺させると知った菅原は逆に組長を殺す。最後に一人となった菅原は銃撃で殺される。映画の終わりに、菅原が強姦し娼婦にさせた女が菅原の子を、その後産んだと字幕が出る。

ともかく道徳心のかけらもない菅原は自分の感情の赴くまま暴走し、最後は当然ながら殺される。弱い者いじめも気にしない。意図的にやるのでなく自覚さえない。このような菅原に嫌悪感を持っても不思議でないが、まだ少しは共感を持てたのかもしれない時代の映画である。本作は仁義なき戦いの露払いの映画と語られることが多く、それが真実だとしても夫々の映画はその映画で観られるべきである。

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