2014年11月12日水曜日

イスラエルの月(奴隷の女王) Die Sklavenkonigin 1924

オーストリアのミハーイ監督による古代エジプトを舞台にした無声映画。原作は『ソロモンの洞窟』で有名なHR・ハガード。


 聖書の出エジプト記が背景である。すなわちデミル監督の『十誡』を思い出させる。しかし『十誡』のように聖書の物語の映画化でなく、出エジプト記をベースにした、そこでのイスラエル人の女奴隷が主人公の話である。
エジプトで奴隷として働かされているユダヤ人の女(彼女がイスラエルの月と呼ばれる)は美人なので監督官が目をつける。エジプトの王子は不正を許さず女を助ける。それだけでなく好意を持ち、わざわざ彼女目当てにユダヤ人地区に入って危険な目に会う。この王子が正義漢で彼女に好意を持ち、ユダヤ人を解放せよと主張するまでになる。そのため王位継承の地位を失う。自分たちに尽くしてくれる王子に感謝して彼を襲うユダヤ人たちの計画を知らせ救おうとする。最後はユダヤ人たちを追った彼の代わりの王位継承者が海で溺れ、イスラエルの月を火あぶりにしようとしたエジプトの神官から救い出す。民衆は王子が新しい王になることを万歳する。

 古代エジプトのセットは『イントラレンス』のバビロンセットほどでなくとも金をかけた映画であろうと思わせる。また群衆もエキストラを大量に使っている。

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