2014年11月24日月曜日

海猫の港 昭和17年

千葉泰樹監督の戦争中の映画。明治20年代の九州唐津を舞台にした親子の話。

町全体で祝賀会が始まる。唐津港が特別輸出港に指定されたので祝う。これは明治22年のことだそうだ。
港の居酒屋を経営する頑固者の父親。彼には息子二人がいる。下の子はまだ少年。祝賀会の剣道大会で負けて家に戻りにくくなっている。みんなで捜す。
少年は鉄道に憧れている。上の長男は隣のだんご屋の娘と相思の仲だが、彼は船乗りになりたいと思っている。下の子には東京の鉄道学校に入学を許す。長男は好きな子と結婚していいが、親父は何代も続いた居酒屋を継がせるつもりでいる。相手の娘に縁談が持ち上がる。娘が長男に相談に行くと今は外国へ行きたいから、待っていてくれと言う。父親は息子の好きな娘の母親から、船乗りに娘はやれないと言われ、初めて息子の願望を知る。息子に怒る。息子は世界の列強の中で日本の船はまだ一番でないと話し、日本にとって海事の発展がいかに重要かを説明する。父親は友人たちとも話し息子の希望を叶えてやることに同意する。最後は居酒屋で一人になった父親が寂しく座っている。

この話はフランスのマルセル・パニョル原作の戯曲「マリウス」の翻案だそうだ。元の戯曲やその映画等を知らない。父親が自分の希望と対立する子供たちの願いを最後には受け入れる、という点でミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」を思い出した。

海運や海軍等の発展が重要であるということで父親が納得するあたり、映画が作られた戦争中の雰囲気を反映しているかもしれない。

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