2014年11月14日金曜日

まごころ cœur fidèle 1923

『アッシャー家の末裔』(1928)で有名なジャン・エスプタン監督の仏無声映画。


 マルセイユの酒場で働いているマリー。好きな男がいるのだが、養い親からやくざ者と結婚させられそうになっている。恋人が酒場を訪ねると男と出ていったと言われる。捜して遊園地に着く。マリーは嫌いな男と回転アトラクションに乗っているが虚ろな目つきである。人混みの中からようやく二人を捜しだす。男同士は喧嘩を始める。やくざ者が取り出したナイフを恋人がとって仲裁に入った警官を刺してしまう。その間にやくざ者は逃げ出してしまう。
一年後出所した男は再び恋人を捜しアパートにやくざ者と住んでいることを突き止める。赤ん坊がいて隣室のびっこの娘と一緒に世話をしている。やくざ者は相変わらずカネを取り上げ飲んでしまうような堕落した生活をしている。マリーが男と逢っていると聞いたやくざ者はアパートに戻り男ともみ合いになる。やくざ者が落とした銃をびっこの娘が取り上げやくざ者を撃つ。
最後の場面では恋人同士が遊園地で遊具に乗っている。今度は男の恋人が虚ろな目になっていた。

 多くの場面のショットが印象的である。男の恋人がマリーを想ってその顔が海と重なるとか、遊園地の回転遊具の場面とか、モンタージュと言うのかフォトジェニーと言うのか知らないが、活動写真ならではの素晴らしさを再確認した。

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