2014年11月14日金曜日

妻の愛人 Der Geliebte seiner Frau 1928

マックス・ノイフェルト監督のオーストリアの無声映画。


 青年貴族は借金のため金持ちの娘と結婚せざるを得なくなった。道楽者である彼は結婚まで自由でいたいと希望し、気儘に暮らすべく偽名で借りているウィーンの街中のアパートへ行く。放蕩のせいで結婚式の日にタクシーに泥酔で発見され警察に留置される。警察に捕まった青年は知り合いの警部に助けられた。ただし隣の席にいた、ならず者に財布を盗まれていた。

花婿を待っている花嫁の娘は待ちくたびれて結婚式を放棄し街へ出る。アパートを捜していると、たまたま主が数日空けている部屋があるので、そこを借りることができた。これが実は自分の婚約者が偽名で借りていた部屋だったのである。男の主が数日空けているからといって見知らぬ女にその部屋を貸してしまう感覚は全く理解できないが。娘が部屋で風呂に入ったりしているうちに男が帰ってくる。ここでよく映画等にあるようになかなか二人が鉢合わせせずに部屋の中を行き交う。しかし最後に出会い口論になる。お互い婚約者なのだが相手の顔を知らない。二人とも偽名を使っているので気がつかない。しかしながら相手に対しそれほど悪い気がしないようになる。また二人とも探偵社に電話して自分の婚約者の素行を調査する。ともに見知らぬ別の者(実は偽名の婚約者)と付き合っていると連絡が来る。

青年貴族の財布を盗んだならず者は、カネを使いまた名刺によって自分が貴族であるかのように振る舞っている。このならず者が捕まるレストランへ、たまたま二人が行っていて最初娘が事情を知り、最後は大団円となる。

 喜劇でよくあるように勝手な思い違いや、現実ではあり得ない偶然の積み重ねによって話が進行していく。お馴染みの展開がどうやって最後に明らかになるかが関心である。

0 件のコメント:

コメントを投稿