2014年11月26日水曜日

美しき豹 昭和23年

千葉泰樹監督が戦後の闇屋が幅を利かせていた時代を背景に女の生き方を描く。

かつて軍人だった父親は戦後すっかり元気をなくしている。主人公である妹娘は活発で、闇商売を営む会社に勤め、やり手として活躍している。未亡人となった姉が息子を連れて戻ってくる。近所に住む中年会社員は結婚を控えている娘がある。この男と姉が仲良くなり、息子も男になつく。男は妹娘とは仕事でも知り合うが、闇商売に物を売ろうとせず対立する。男が姉と結婚したいと申し出るが、父、妹とも反対する。羽振りを利かせていた闇商売だが旅行先の熱海で警察に摘発される。姉は警察から通知が来るが父は寝込んでおり、男に妹の引き取りを頼む。男と姉の結婚を父、妹とも今回は認めることとなった。

 脱線だがこの映画をみて思ったことは闇屋の機能である。違法の取引をしていたので度々摘発にあったとは知っている。ただ物資不足の中で重要な経済機能をはたしていたわけである。実態を無視した法規での取り締まり自体に無理がある。関わった者たちが問題であったとか、ただ容認することはできないものの、闇取引が生じざるを得ない時代であった。違法というだけで非難するのは経済の原則を知らないというしかない。

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