2020年5月14日木曜日

旅路の果て La Fin Du Jours 1939

ジュリアン・デュヴィヴィエ監督、仏、100分、白黒映画。
俳優たちの老人ホームが舞台の映画。

ルイ・ジューヴェ演じる俳優は老人ホームに入る。俳優専用の老人ホームである。入ってみると知り合いが多い。ジューヴェは徹底的に自分勝手で女たらしの男である。かつて自分の恋人だった老嬢たち。子供を産んだ女もいる。しかしすっかり忘れている。
このホームには自分の妻をジューヴェに奪われてすっかり役者人生を諦め、無名の俳優として終わった者がいた。なぜ自分の妻は死んだのか、ジューヴェに問い詰めるが、事故死という答えしか返ってこない。
また代役専門で一生を終わり、一度も舞台に立ったことのない、陽気だがボラ吹きがひどい老人もいる。
ジューヴェはここへ来ても手癖の悪さは止まない。ホームに勤める、少女といっていい若い女まで虜にする。

ホームは経営難で閉鎖の危機に会うが、新聞等の助けにより立ち直る。老人の元俳優たちは劇をやろうとする。あの無名で終わった老人に配役が回ってくる。代役専門の男はぜひ自分にやらせてくれと頼む。相手にされないので無理やり自分が舞台に立つ。しかし肝心の台詞は何も出てこず、恥をかいただけだった。その後、酒を飲んで倒れ死亡する。
ジューヴェは若い女に自殺させ自分のドン・ファンぶりに自己陶酔しようとする。無名俳優が少女を助ける。また自分の妻も事故死でなかったと分かる。
最後は代役専門男の葬式、無名俳優が弔辞を読む。用意してあった文は白々しく、途中で朗読を止め自分の言葉で代役を送る。

俳優たちの老人ホームが舞台、登場人物が俳優役をしているので、芝居じみた台詞、展開も芝居じみている。有名な作品であり、今回初めて観たが感心できなかった。

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