2020年9月18日金曜日

東京暮色 昭和32年

 


小津安二郎監督、松竹、白黒、140分。

笠智衆の娘が原節子と有馬稲子である。母は出奔していない。原は結婚しているが、夫が嫌で小さい娘と実家に帰ってくる。妹の有馬はまだ未婚で、不良のような生活をしている。映画らしい偶然で、山田五十鈴演じる実の母親と有馬は再会する。大陸から帰って来て麻雀屋を新しい夫と経営していた。ただし有馬は親の顔を覚えていない。色々山田は有馬に尋ねる。帰宅して原に、母親だったのではないかと疑問を言う。原は、山田の麻雀屋を訪ねる。母を知っている原は山田に、母と名乗ってくれるなと言う。父親が可哀想過ぎると。

有馬が妊娠しそれをどうするかが結構大きな筋になっている。親戚などにお金を借りようしたのは堕胎の費用のためである。済ませた後、恋人に再会、鈍感で勝手な態度に有馬は怒り平手打ちを食わせる。怒って店を飛び出した後、路面電車に惹かれる。病院にかけつける笠と原。死にたいくないと言いながら有馬は死ぬ。後日談で山田は夫ともに北海道に引っ越しする。山田に怒る原は、山田が焼香に来ても上げず、言葉もかけない。原は家に帰ると笠に言う。

非常に暗い話で小津作品では異色。その異色さが評価の対象となろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿